コーヒー染め 物語 著:シェフ

肩の力を抜いて休憩しましょ

 

いらっしゃいませ。気まぐれシェフの物語レストランへようこそ。

 

 

私は〜物に第二の人生を〜をモットーとして活動するアパレルブランドLesmuuuues(レミュー)の

シェフ、たかゆきと申します。

 

 

シェフと言っても食べ物を料理するわけではなく、私が料理するのは洋服やバックなどの装飾品です。

 

 

はい?と思った方もいるでしょう。

 

 

私達は古着や装飾品にコーヒーや紅茶など普段身近で使われている天然素材を使って

染色しております。

 

 

使わなくなった物が新たな姿に生まれ変わることで第二の人生を歩んでほしい

という思いで活動しております。

 

そしてここ、物語レストランでは私が丹精込めて作った一品に物語を語らせていただきます。

 

この物語は作品を更なる形に変えてあなたの日常を彩ってくれることでしょう。

 

みなさん知ってましたか?コーヒー花の花言葉は「一緒に休憩しましょう」

という意味が込められているのだそうです。

今回のお話は疲れた青年の心を癒してくれた洋服とコーヒーのお話。

 

素敵な日常のお話をどうぞご堪能ください。

 

肩の力を抜いて休憩しましょ

出会いは何気ない休日。

仕事で心身共に疲労しており、「今日は家から出ずに寝ていよう」という思いとは

裏腹に窓から差し込む日差しが僕を起こしにかかってくる。

日差しに誘われるように外に出てお散歩していたら近所に古着屋さんを発見。

店内に入ると洋服屋で流れるお決まりの洋楽が僕の耳をくすぐってくる。

店内手前のシャツやトレーナーの群れを潜り抜け、辿り着いたのはパンツのコーナー。

アメリカンなジーンズや綺麗に整った黒のスラックスが主張してくる中、

なぜか目についたのはゆるっとしたリネンのパンツ。

着飾らない、等身大でいれそうなリネンパンツに心を惹かれて気づいたら購入していた。

家に帰ってコーヒーを淹れながら買ったパンツを履くと思っていた通りの履き心地。

ゆったりとしたシルエットに思わず跳ねるように体が動いてしまう。

と、その瞬間体が机にぶつかり淹れていたコーヒーがパンツにかかってしまった。

「なんてついてない日なんだ。」と落胆しながら洗濯をしようとするが

リネン独特の色味とコーヒー色が絶妙な雰囲気を出していることに気づく。

「そうだ、いっそ染めてみよう。」そう思って僕は鍋に手をかけ、

たっぷりのコーヒーを注ぎ火をかける。

安らぐような香りと温かいコーヒーの中にリネンパンツが投入される。

その様はまるで温泉に入っているようで見てるこちらが心癒される。

染め終わり、丁寧に手洗いをして新たに生まれ変わったリネンパンツ。

緩やかなシルエットに加えてコーヒーの色合いが疲れた心と体をほぐしてくれる。

さて、〜肩の力を抜いて休憩しましょ〜

-コーヒー染め, 物語, 著:シェフ